日本のおばあちゃん

 

おとといの地球交響曲の上映会に第二番の出演者、佐藤初女さんが青森からいらしてくれた。

初女さんは今から40年以上も前から、心を病んでしまった方や様々な人々のために心をこめて食事をつくり、

だまって話を聞いてあげ、そのことによって元気になって社会に帰っていった人は10年前で既に700人を越えていた。

初女さんの優しいお人柄は映画の中からでも十分に伝わってくるけど、実際にお会いして、

本当に素敵なかわいい女性だった。

話される一言一言を大切に心をこめていた。

映画の冒頭にでてくる、私面倒くさいっていうことがきらいなんです。っていうメッセージを

面倒くさいことがきらいなんですと勘違いされた観客にチューブ入りの練りわさびやしょうがを山ほど送られました、と

笑顔で話すと、会場にいた子供のうれしそうな笑い声が響いた。

食のことを命を頂くと表現され、ひとつひとつの食材となる生き物に感謝され心をこめ、人においしく食べてもらえるために

その愛情のすべてをこめる。

初女さんは食べる方がもし何か悩んでいたら、ただ話しを聞いてあげる。

人はそこで受けとめてもらえたことに安心感をおぼえ、愛を感じるんだと思う。

そして見も知らぬ、突然来た自分のために心をこめて自分の命となる食事を作ってくれた初女さんの心、姿に

どうしようもなく感激するんじゃないかな。

講演会の後半、テロリズムや戦争はどうしたらいいのでしょう?というような質問があった。

しばらく考えたあと初女さんは、私には答えられません、と言って目を伏せた。

僕は愕然とした。そして涙がこぼれそうになった。

もっともらしいことを言うことのほうが簡単だって思った。

初女さんは結果的に本当に沢山の方を癒してこられた。

でも、癒してあげてる、自分は人を癒すことができるなんて思っていないはずだ。

ただ命をいただく食にこだわり、心をこめ、人をもてなしたいという自分の心のままにただその時その時を

全力に生きてこられたんだと思う。

自分が本当に好きなことを心をこめただやる、それによって結果として周りが影響され、変わっていった。

こんなすごいメッセージはない。

初女さんは本当に動の祈りの人だった。

こういう人間が増えていけば、ただ自分を生きていけばきっといつか平和な時がやってくるんだって、

何も語らなくても、初女さんの生き方から教わった。

初女さんは握手をするとき両手で優しく祈りをこめるように、おむすびを結ぶときのように握手する、

とても暖かいものが伝わってくる。

結ばれる一粒一粒のお米の気持がわかるような気がした。

にぎるんじゃなく結ぶ。素敵だなぁ。

 

昨日は初女さんを空港まで送って行ったんだけど、少しお話をして、ふとバックミラーをのぞくと

安心したような優しいお顔でお休みになっていて、なんかうれしかった。

空港まで行ったらなんと初女さんの乗る飛行機は欠航。

そんなときにも動揺ひとつせず、こういうこともあるのよ、盆地だからねなんて穏やかな顔。

本当に忙しい方なのに、初女さんの周りにはまったく忙しい時間が流れていない。

ゆっくりと、その時その時を許し楽しんでいた。

結局、東京駅から新幹線でおかえりになった。

列車が走りだし見えなくなるまで立って優しい笑顔で手をふってくださった。

お別れの握手の時、ずっと元気でいてくださいと思いをこめた。

イスキアで演奏してねと言われた。

またお会いできるのが楽しみです。

今度の春が来たらイスキアに行きたいと思う。

初女さんの周りの方も本当に素敵だった。

いい出会いに感謝だらけの2日間だった。

日本のよき母、おばあちゃんだった。

 

                         KNOB

 


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