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観音
観音さま、以前から気になっていた。音を観る、、、 あるレコードレーベルから、コンピレーションCDの話しがあった。 インストゥルメンタルでということで、早速、この楽器が欲しいというメンバーに声をかけた。 即決で集まってくれたメンバーは最高なアーティストだらけだ。 ただの癒しの音楽にしたくない。 もっともっと様々な感情が入った、生命力のあるものをつくりたかった。 その時思い付いたのが、画家の描いた絵の世界が音で表現できたら、、、観音だ! 僕はワクワクした何かが起きる予感がした。動きだしたんだ。 様々な画家たちの絵を集めて、でもそれに縛られずにセッションを進めた。 ディジュリドゥ、シタール、タブラ、ホーメイ、口琴、カリンバが和太鼓、尺八、鼓と絡み合う。 不思議なくらい日本を感じた。 様々な画家の中から一人を選んだ。 北斎。 彼が描いた世界、生きざまがひとつひとつの楽器を通して表現されはじめた。 まるで北斎さんが降りてきて演奏させてる、動かされてる、そんな気がした。 最後の曲のセッション。 スタジオのブースを二手にわけて、録音した。 ホーメイの岡山くんが普段と違うバイブレーションで表現をはじめた。 続くセッション、15分くらいの世界が終った。 聞いてみた。 でも何かが起きる予感がした。ブルブル震えた。 何日か後、有楽町で龍村監督の講演会に誘われたんだ。 山手線で向かった。 なんかひとつ手前の新橋で降りなきゃ、降りたい。 そんな衝動にかられて、改札を出た。古本市がやっていた。 北斎の本があった。手にとり中を開いた。 これだ!これだ! それは近年、発見された北斎晩年の弘法大師修法図。 完全に出来たと思った。そしておもわず空を見上げてしまった。 自分がやっているというより、やらされてるという気がした。 北斎さん?感謝と祈りを捧げた。 凄いものが出来る!直感的に思った。 それからのセッション、アイディアは泉のように湧いた。 ジャケットに北斎会館さんの協力のおかげで北斎さんの絵も使えるようになった。 観音という題字をどうするか。 この人の字しか北斎のこの波に乗らない。 一大決心して師である小野田雪堂先生に電話した。 先生、時間を作っていただけますか?うん、いいけど、なんか深刻な相談か? いや実は、、、先生は快諾! で二日後には観音と書いたものを送ってくださった。 同封してあった手紙には君からの申し出、本当に嬉しかった、 書いてみたけど、使えなかったら、遠慮なく破ってください。と書いてあった。 涙がとめどなく流れた。 参加してくれたすべての人たち、レーベルのみなさん、、、 すべての人の力が合わさりオーケストラのように調和し完成に近付いている。 誰が作るんでもない、創造力はタイミングは出会いは、、この宇宙に満ちている。 だからこそ、そこに繋がることができるように、自分自身をせいいっぱい生きなきゃ、そう思った。 僕が今ひかれる日本は江戸。文化も精神も素晴らしい。 能なんかやばすぎる、死んだ人が主役で出てくる世界でも希だと思う。 歌舞伎、落語、都ど逸、、 人間が自然と相対するのではなく、自分も自然の一部であり、自分の中にも自然があるという 自然(じねん)という宇宙観、今の地球に必要なすべてが江戸には、そのころの日本には確かにあった。 今の環境の中でも使える、素晴らしき先人の心を北斎CD,観音をきっかけに表現していこうと誓いました。 ディジュリドゥもまるで和楽器のように聞こえます。 これが僕の吹く天然空洞木。 CDにはまだスペシャルゲストが参加しています。 江戸の心と北斎の夢に自分に挑み続けた精神よ、今ここにあれ!
KNOB |