青の海

 

僕は海をどこかで怖がっていた。

きっと 子供のころに観た映画の ジョーズが強烈で

すぐ サメが出たらどうしようなんて 考えてしまっていたんだ。

小心者だね。

でも そんな考えは一気に吹っ飛んだ。

 

今年の2月に ハワイ島で ドルフインスイムをしている

ユリカさんとデールさんのところにイルカと泳ぐために行ったんだけど

行った時は 新月で 浜にイルカが来るのは 満月の時だったんだ。

それで イルカに遭うために ボートで40分くらいかけて

沖のほうまで行ったんだ。 会えるかななんて思っていたら

ザトウクジラがいてね。 親子で仲良くゆったりと泳いでた。

ぶはぁっていう呼吸がよくてね。

ああ やっぱり同じ空気吸って生きている仲間なんだって思ったんだ。

そしたら船長が マイクを海につっこんで ザトウクジラの声を聞かせてくれた。

ライブなんだ。 もう歌声としかいいようがないような ディジュリドゥの響きにも

似たような声。 素敵だった。

海の中には こんなにすごい音楽が響いているんだって思った。

あの声で遠くの仲間と話して 感情を伝えあってるんだろうな。

優しい愛の響きだった。

そして ぼくらはまたイルカを探した。

しばらくすると ドルフィンと叫ぶ 船長の声が聞こえた。

かなり沢山の背びれが ひとつの方向を目指していた。

ぼくらの船は 先回りして イルカを水中で待とうということになった。

かなり先回りして 水中眼鏡 フィンをつけて

よーし 飛び込めといって 船長がまっ先に飛び込んだ。

僕は またジョーズを思い出した。

こんなところに サメはいたな。

浜辺は そうとう遠く 海の表面は深い深い青。

僕はなんだか恐くなった。

でもイルカと泳ぎたい。 そのほうがワクワクした。

不安はあったけど おもいっきり飛び込んだ。

足もつかない深い海に ザブーンと沈んだ。

沢山の真っ白な泡に包まれて そして そのあと 目の前には

青の世界が広がった。 青 青 青 青

とにかく 青なんだ。 心がすっーと染みるような、

そう よく宇宙から地球をみたときに あるような青

あの青が僕を包んでいるんだ

恐怖はまったくなくなった。

まるで でっかい 本当におかあさんにつつまれているような

絶対的な安心感があった。

これが 海の姿 これが海の中の世界なんだって思った。

まるで 別世界 素敵すぎる世界。

僕は少し潜ってみた。

何もみえない。 ただ 青の世界。

そしたら 耳に微かに聞こえたんだ。

さっきのクジラの声が 全身に染み渡るような

声が細胞まで深く深く共鳴した。

クジラの姿は見えないけど 声は確かに響いていたんだ。

そこに 聞き覚えのある 超音波のような 声が聞こえて来た。

あっ イルカだ。 遠くの青の中にどんどん イルカたちの姿があらわれる。

僕もイルカたちの進む方向へ同じように泳ぎはじめた。

どんどんイルカの声が大きくなって そして 僕の真下に何層ものイルカの 泳ぐ姿が

見えた。僕の右にも左にも、、、

僕のすぐ下をお腹をみせて泳いで行く。

横を向くと 目が合って 素敵な笑顔をくれた。

なんて 進化した生命体なんだって思った。

野生のイルカの はにかんだような笑顔に絶対的な愛を感じた。

青い海のイルカさんは芸も覚えて おりこうさんなんだよって 教わってきた。

そんなレベルじゃない。 人間よりも遥かに知性を持ち 地球や自然と調和し

楽しみながら生きる道を選択した 愛に満ちた生命体だって思った。

水族館にいるイルカは 人間のレベルまで落として それでも楽しんで 付き合ってくれて

いるんだね。きっと。

150から200頭近くのイルカと泳いだ。

泳いだっていうよりも 地球っていう 青の水の中の宇宙で

遊泳したっていうか 本当に宇宙にいるようだった。

宇宙に行って 高度な知的生命体に遭遇した そんな感じに近かった。

僕は海を心の底から好きだと言えるようになった。

あの青が 忘れられない。

あのイルカの優しい目が あのクジラの声が、、、

本当に こんな美しい地球に産まれてよかった。

国境もなく ただ地球に住む イルカやクジラのようでありたい。

あの青こそが地球の色なんだ。

 

               KNOB

 


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