最近のめざましい科学技術の進歩によって、この宇宙の全ての存在、すなわち銀河系、太陽系、地
球、海、山、川、森、岩、動物、植物、バクテリアから原子のひとつひとつまでもが、それぞれに独自
の“音楽”(vibration)を奏でていることが分かってきました。
「人間が音楽をつくる以前に、“音楽”がこの宇宙をつくり、生命を生み出し、人間をつくった」という宇
宙物理学者もいます。
「ナーダ ブラフマー =
世界は音なり」という言葉があります。
数千年前から伝えられているインド、ヒンドゥー教の教えですが、これと同じ教えは、仏教をはじめ世
界のあらゆる宗教や神話の中にもあります。
我々人類は、科学が進歩するはるか以前から、この真理を知っていたのです。
21世紀の科学は、宇宙物理学、電子工学、生物学、医学、遺伝子工学など、あらゆる分野で、この
「ナーダ
ブラフマー」という真理を再発見しつつあります。
我々が住むこの世界は、生々流転する全ての存在が、それぞれに独自の“音楽”を奏でながら、互
いに響き合い、次々と新しいハーモニーを生み出しつつ、ライブ演奏されてゆく壮大なシンフォニーの
ようなものなのです。
ところが最近、この悠久のシンフォニーの中に、著しく調和を乱す“楽音”が聞こえるようになりまし
た。我々人類が発する“楽音”です。甚だしい不協和音が発せられ続ければ、シンフォニーは当然調
和を失い、カオス状態に陥り悲惨な結末を迎えることになります。
我々人類が不協和音を奏でるようになった理由ははっきりしています。
自分だけの利便や安楽を求め続けるあまり、自分以外の存在が奏でる“音楽”を聴く耳を閉じてしま
ったからです。共演者が奏でる“音楽”を聴かないで、美しい交響曲の創造に参加することなどできる
はずがないのです。
今我々人類に早急に求められているのは、自分以外の存在が奏でる“音楽”を聴く耳をもう一度開く
ことです。そして、“耳を開く”ことはとても簡単で楽しいことです。
閉じているのは我欲に呪縛された“耳”だけです。私達のからだを構成する1028乗個もある原子の
一つ一つは、今この一瞬にも、外の世界に存在する全ての原子達と響き合いながら、美しいシンフォニ
ーを奏でています。それが“生きている”ということです。
内なる音楽を聴くことは、外なる“音楽”を聴くことであり、外なる音楽を聴くことは、内なる“音楽”を聴
くことです。
「音を観て、光を聴く」旅、それが「地球交響曲
第六番」の旅です。
龍村仁
【龍村仁事務所ホームページより引用】