【デジタルテレビガイドに掲載された龍村仁監督が語る撮影秘話】(抜粋)

 

 

<三原山噴火口で放たれた大地の歌声、、、ディジュリドゥの音>

 映画「地球交響曲」の撮影では、大自然の予期せぬ働きに助けられることがしばしば

 ある。

 第六番の「虚空の音」の章の撮影で伊豆大島に行ったときもそうであった。

 大島では、三原山の噴火口でKNOBのディジュリドゥの演奏を撮影した。(中略)

 その音がすごいのだ。まるで地の底から湧き上がってくるマグマの音、地震の際、最

 初に地中を渡ってくる超低周波のような音だ。(中略)

 この世で初めて耳にする音、私が連想したのは、水深400mの深海に響くザトウ鯨

 の歌、チベット仏教の僧達が唱える超低音のマントラだった。

 第六番のテーマを”音”と定めた時、この世の全ての存在の背景にあって、全ての存

 在を形づくり動かしている「虚空の音」=耳には聴こえない音と、耳に聴こえる音を繋

 ぐシーンがどうしても必要だと考え、4人の無名(これは敬称である)の音楽家達に協

 力を依頼した。その一人がKNOBだったのだ。(中略)

 撮影予定日の前日、午後遅く下見のため火口に登った。するとどうだ、俄に風が起こ

 り雲が湧き、その風が火口の底に雪崩れ落ちたかと思うと、火口から噴き出る小さな

 噴煙と交じり合い渦巻きながら激しく吹き上げてくる壮絶な風景になった。私は急遽、

 KNOBに崖淵に座って存分に吹いてくれるよう頼み、暴れ踊る白い龍雲の中に現れ

 ては消えてゆくKNOBの姿を撮影したのだった。

 デジタルテレビガイド12月号より抜粋

 


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