大島・三原山噴火口

ノブ 撮影イメージ

  (龍村仁監督)

 

 

86年の噴火以来、今もあちこちから白い噴煙を吹き上げる噴火口。

それは、46億年前から休みなく続けられる母なる地球の生命の営み。

 

草木ひとつ生えない漆黒の稜線を昇ってゆくひとりの男(ノブ)のシルエット。

肩に奇妙な筒のようなものを担いでいる。

 

いづこからともなく聴こえてくる不思議な響き。

噴火口の渕に腰を下ろし、ディジュリドゥを吹く男、ノブ。

母の産道にも似た太い筒の空洞を吹き抜けてくる生命の風が

噴火口の絶壁を吹き下って、白い噴煙を躍らせ、

なだらかな稜線を滑り降りて、眼下の大海原へと拡がってゆく。

その響きは、母なる地球に呼びかける太古の人々の祈りの声か、

はたまた、それに応える母なる地球の歌声か。

地の底から湧き上がり、大地を震わせ、風を起こし、

天空の太陽と共振しながら、大海原に光の波を立てるその響きは、

かつてこの地球に誕生し、死んでいった全ての生命が、

宇宙の子宮の闇の中で聴いていた虚空の響き。 

 


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